ドイツの協同組合協会DGRVは2014年のエネルギー協同組合の新規登録が60%減少したと発表しています。同組織によると2014年以降の再生可能エネルギー法(EEG)の改正によるとのことですが、理由は他にもありました。
2015年7月16日におこなわれた記者会見で、DGRVとドイツ再生可能エネルギー機関(AEE)は、エネルギー協同組合の新規登録は54件しかなく、2013年の129件から60%減だったと発表しています。その一方で、EEGの改正は明らかな影響を与えました。具体的には、公募入札が市民による協同組合の取り組みを阻止し、より大規模な開発企業と投資家に有利に働いたとDGRVは述べています。
もうひとつの理由とは、投資家保護を目的とした資金調達の新しい規制コストに関する議論でした。しかし、この新しい規制は主に従来の金融機関を念頭に置いており、ほとんどの場合において互いに面識があり、プロジェクトに長期間かかわっているエネルギー協同組合にあわせて設計されたものではありませんでした。今年、エネルギー協同組合はこれらの新しい規制への対応を免除されたため、少なくともいまのところ、この負担がこの分野に影響を与えることはないはずです。
幸いなことに地域熱供給網の建設は現在も続いています。過去3年間に発足したエネルギー協同組合の半分近くはこの作業を終えています。これまでは太陽光発電が協同組合にとって主要部門でしたが、DGRVによると焦点は次第に風力発電へと向かいつあるということです。
AEEは自分たちのWebサイトに記者会見向けに多くの画像(ドイツ語)を制作しています。エネルギー協同組合90団体を対象におこなった調査では、94パーセントがエネルギー転換政策(Energiewende)にとって人々の支持を得ることは「とても重要」または「非常に重要」だと回答しています。別の画像では、初期投資への単なる出資よりも、進行中の事業運営への参加が地域の人々の支持を得るのにきわめて重要であることを表しています。下図によると、一般市民の反対によりもっとも失敗しているプロジェクトは風力発電(29%)であり、バイオエネルギー(10%)と地熱(3%)が続いています。地熱は近年、特にドイツ南西部で数多くの問題を抱えています。しかし、アンケートに回答した56%は、阻止されたプロジェクトはなかったと回答しています。
元記事:Renewables International “Growth of energy co-ops slows down in Germany”(2015年7月16日)ISEPによる翻訳