米国エネルギー情報局(EIA, Energy Information Administration)は、太陽光発電と風力発電が残余需要(residual load)をどのように変化させたかについて、12月にプレスリリースを出しました。
EIAは残余需要を「正味需要(net load, システムの総電力需要から風力と太陽光発電を引いたもの)」と呼んでいますが、風力と太陽光による影響があることは変わりません。特に太陽光が正午ごろに増える電力需要をオフセットしていることからもわかります。
カリフォルニア独立系統運営機関での2014年平日の需要、正味需要、風力、太陽光による発電量の例
残余需要が新たに描く2つのラクダこぶは、10月22日の時点ですでにはっきりと見えていて、それは4月からその傾向を確認することができます。しかし、一方で7月22日には、消費電力の直線的な上昇は夕方まで続き、太陽光の発電量をしのいでいます。
プレスリリースで説明されているように、黄色の太陽光発電の部分は小規模な設備を含めていないにもかかわらず、需要を押し下げるものとしてグラフに表示されています。おそらく現在ドイツで確認されている2014年の電力需要の著しい低下と同じ状況なのでしょう。太陽光発電を自家消費する傾向には、発電と同時に省エネも促す役割があると考えられています。カリフォルニアには事業用太陽光発電が5 GW 、住宅用が1.2GWあると見積もられています。
2番目のグラフは、2011年の年間推移を示しています。カリフォルニアでは、太陽光発電の増設と並行して、夕方にかけての傾斜がさらにきつくなっていくようです。
左:カリフォルニア独立系統運営機関での月毎の1日の平均正味需要(2011〜14年)・右:1日の平均正味需要(3月)
元記事:Renewables International, “Solar and wind give California second camel hump”(2014年12月12日)ISEPによる翻訳