テスラみたいに？きっと好きになるパッシブハウス

テスラはクリーンエネルギーに関してだけでなく、加速性と快適さに注力することで、魅力的なEVを作りました。建築家のElrond Burrell氏はパッシブハウスを推進する人たちも同じようにすべきであると述べています。

世界の多くの地域で、きれいな空気の恩恵は当たり前のものとされています。少なくとも私たちはそう思っています。家や建築物の質が高くなるにつれ、私たちはきれいなはずの空気と一緒に吸い込んでいるものをよりリアルにとらえることができるようになってきています。

大気汚染は公衆衛生に重大で広範囲にわたる影響を及ぼします。世界保健機構によると、大気汚染は現在「世界最大の単一環境健康リスク」と考えられ、その影響により毎年300万人以上が命を落としています。これは毎年交通事故で亡くなる人の2倍以上にあたります。

あなたの「きれいな空気」は本当にきれいで健康的ですか？

パッシブハウスは大気汚染から守ってくれます。

都市環境では、インフラ設備や建物、自動車による化石燃料の燃焼や、粉塵により大気が汚染されています。農村環境では、固形燃料の燃焼や花粉により大気が汚染されています。農薬散布や放射性散布物、施肥や採掘作業による粉塵はどちらの環境にも影響を及ぼす可能性があります。

そして、さらに室内でも建築材や仕上げ材、建具、電気器具、暖房器具、調理により空気が汚染されています。

健康と安全はパッシブハウスにとって重要なことです。パッシブハウスの住人は温度による不快感や、隙間風、結露、カビから保護されるのと同じように、統計的にはより脅威となる空気汚染からも守られています。病院やクリーンルーム、宇宙産業で使われている空気フィルターシステムにヒントを得て、外気の花粉やバクテリア、家外の汚染物等の微粒子を完全に除去するために、家の空気を系統的に洗浄することが可能なHEPA（High Efficiency Particulate Air Filter）フィルターシステムがパッシブハウスの換気技術に開発されました。その結果、標準的なフィルターより数百倍も効果があり、外で何が起こっていようと、家主や住人にもっともきれいな室内空気を提供できるようになりました。

この空気フィルターシステムは、カリフォルニア高速道路にはじまり、悪臭を放つ低湿地、ごみの埋立て地、カリフォルニア中央盆地の牛の牧草地、中国の大都市に至るまで、実際の環境でテストを行いました。このテストでは、微粒子状物質とガス汚染物、さらにバクテリア、ウイルス、花粉、カビ胞子なども確実に捕らえるようにしたかったのです。

その後、さらに踏み込み、それを大気状態を正確にコントロールして、注意深くモニターできる環境で行うことにしたのです。自然環境を模した小さなドームに戸建てのパッシブハウスを入れ、その中の空気を極めて汚染された状態にしました（PM2.5の1,000 µg/m³ 対米国環境保護庁（EPA）の「グッド」エアクオリティインデックスの限界である12 µg/m³）。そして、窓とドアを閉め、生物兵器防衛モードを始動させました。

下のグラフはドーム内の家の中と外で汚染レベルが下がっていく様子を示しています。２分も経たないうちにHEPAフィルターシステムはパッシブハウス内の空気を浄化し、汚染レベルは極めて危険な1,000 µg/m³から使用した機器に探知されないほど低いレベル（ノイズフロア以下）に下げました。そして、汚染されたドームの中にいながらも、実験科学者たちがガスマスクを取り外して新鮮な空気を吸うことを可能にしたのです。