自動車産業の文明史的な大転換と日本の行方

「上海ショック」は終わりの始まり Part 3
2023年7月5日

4月18日~27日に開催された上海モーターショー以来、日本の自動車業界には「上海ショック」が吹き荒れているという1自動車評論家 国沢光宏ブログ「自動車業界に上海ショックが吹き荒れている」2023年4月22日。そうした中、「中国のEVシェアは2025年までに80%を超える」と中国EV御三家の代表が発言した2Daniel Bleakley, “Auto boss says EV market share could hit 80 pct in China in 2025”, The Driven, May 8,2023.。世界全体で自動車業界に起きつつある変化を文明史的な視点から眺めてみると、その発言が大げさではないことが理解できる。

BYD「ATTO 3」(画像:ビーワイディージャパン)

本稿では、今、モビリティ分野で起きている変化のスケールとスピード、それが日本にもたらす危機を解説する。今直面している変化が、「上海ショック」どころか、はるかに大きく深刻であることに気づくだろう。

100年に一度の転換期

今、モビリティ分野で起きている変化は、しばしば「100年に一度」と評される。確かに、ほぼ一世紀前にもモビリティの大転換が起きた(図1)。この時は、馬から自動車への転換だったのだが、ニューヨークの5番街を写した写真で分かるとおり、1900年からわずか10年あまりで一気に変わっていることが分かる。

ちょうどこの時期は、T型フォードの第1号機の出荷が1908年9月に行われた時期にあたっており、そこから馬車から自動車へのモビリティ大変革が短期間で生じたという歴史がある(図2)。

この時から100年の時を経て、再びモビリティの大変革が起きようとしているのかもしれない。以下、何が起きようとしているのか眺めてみる。

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Merkmal「「EVとエンジン車のシェアは「数年」で逆転する? 過去の経済理論に見る業界の破壊的変化、EV普及は単なる「技術移行」ではない」(2023年5月28日)より一部転載

@energydemocracy.jp 自動車産業の文明史的な大転換と日本の行方 —「上海ショック」は終わりの始まり Part 3/飯田哲也 – https://energy-democracy.jp/5036 今、モビリティ分野で起きている変化は、しばしば「100年に一度」と評される。確かに、ほぼ一世紀前にも馬車から自動車へのモビリティ大変革が短期間で生じた。この時から100年の時を経て、再びモビリティの大変革が起きようとしている。 #エネデモ #テクノロジーディスラプション #モビリティ転換 #S字カーブ #技術学習効果 #一本足打法 ♬ Just Keep It Real

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1959年、山口県生まれ。環境エネルギー政策研究所所長/Energy Democracy編集長。京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻修了。東京大学先端科学技術研究センター博士課程単位取得満期退学。原子力産業や原子力安全規制などに従事後、「原子力ムラ」を脱出して北欧での研究活動や非営利活動を経て環境エネルギー政策研究所(ISEP)を設立し現職。自然エネルギー政策では国内外で第一人者として知られ、先進的かつ現実的な政策提言と積極的な活動や発言により、日本政府や東京都など地方自治体のエネルギー政策に大きな影響力を与えている。

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