ホーンズデールの遺伝子 飯田 哲也 2025年11月18日 系統蓄電池は「慣性なしでも安定」「再エネは脆弱」「公共インフラ改革は遅い」という神話を覆した。電子の慣性とAIにより蓄電はエネルギー構造を再設計する装置へ進化し、電力網は文明の基盤へと転換しつつある。
気候変動に関する国際司法裁判所勧告的意見の要点 明日香 壽川 2025年10月20日 国際司法裁判所は2025年7月、気候変動に関する国家の義務と義務違反の法的帰結を示す勧告的意見を公表した。本稿は、この勧告的意見が日本のエネルギー・温暖化政策と気候訴訟に与える具体的影響を、NDCの設定、化石燃料補助金、原告適格、損失と被害の賠償可能性などの論点から整理する。
変質・逆走する日本の容量メカニズム 飯田 哲也 2025年10月1日 日本の容量市場と「長期脱炭素電源オークション」は、供給力確保と脱炭素の名目とは裏腹に、既存の火力設備を延命し、消費者負担を拡大させる仕組みに傾いている。VOll/LOLEの不在、蓄電池・VPPの軽視、LNG枠の優遇、独立監視の弱さなど、設計と運用の根本にある問題を、国際比較とデータで検証する。
深化する容量メカニズムの国際潮流 飯田 哲也 2025年8月27日 2020年に導入された日本の容量市場は、世界的なエネルギー危機や脱炭素化、技術革新を経て大きな転換点を迎えている。英国や米国PJMの事例、欧州各国の制度改革、カリフォルニアやオーストラリアの先進的な取り組みを整理し、容量メカニズムの国際的な潮流を解説する。
核融合 Q&A Clean Energy Wire 2025年7月28日 核融合は「夢のクリーンエネルギー」として注目されていますが、実用化には技術的・経済的な課題が多く、現時点では商業利用の目処が立っていません。本記事では、核融合の仕組みや原子力発電との違い、メリット・デメリット、実現までの課題や今後の見通しについて、最新の科学的知見をもとに解説します。
ホーンズデール:エネルギー史を塗り替えた系統蓄電池の「始まりの地」 飯田 哲也 2025年7月15日 ホーンズデール・パワーリザーブは、南オーストラリア州に設置された世界初の大規模系統蓄電池だ。停電危機を契機に誕生し、リチウムイオン電池と先進的な制御技術によって電力網の安定化やコスト削減を実現した。再生可能エネルギーと蓄電池の組み合わせによる新しいインフラモデルとして、世界中で注目されている。
再生可能エネルギーナラティブ 日本のTwitterにおけるメガソーラー言説分析 クリスティアン ドート山下 紀明 2023年12月25日 再生可能エネルギーの社会的合意形成には人々のリスク認知が少なからず影響を与えます。本稿では日本のTwitterにおけるメガソーラー言説を分析した研究から、極端に偏って形成されてきた日本のオンライン上の再生可能エネルギー言説空間の構造と見逃されてきた機会を指摘します。 続きはこちら
気候変動・エネルギー政策 世界の世論調査が気候変動への関心の高まりを示す Clean Energy Wire 2023年12月4日 世論調査によれば、気候変動は世界中の大多数の人々にとって重要な関心事となっています。しかし、個人への影響や世界的な課題への取り組み方に関する見解は大きく異なっています。より野心的であることを求める人もいれば、自国に多くを求めすぎていると批判する人もいます。 続きはこちら
テクノロジーディスラプション 文明の崩壊は新たな可能性を切り拓く契機となる ナフィーズ アーメド 2023年11月27日 文明の崩壊は新たな可能性を切り拓く契機となり、テクノロジーの成長と衰退が文明の組織システムに影響を与えます。既存の産業は衰退し、破壊的なテクノロジーが新たなライフサイクルを推進します。しかし、テクノロジーの飛躍は方程式の半分でしかなく、経済的・政治的・社会的構造を見直し、私たちの存在意義をより深く考える必要があります。 続きはこちら
書評・映画評 『イーロン・マスク』備忘録 飯田 哲也 2023年9月27日 先日出版された『イーロン・マスク』(ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳)を出版と同時に購入した。あまりに面白く、上下で全95章のエピソードを小気味よく進めてゆくアイザックソンの手法もあいまって、週末で一気に読み切った。以下、簡単な備忘録として。 続きはこちら
原子力政策 米国の原子力発電 エイモリー ロビンス 2022年5月11日 原子力発電は、旧い形式と潜在的な新しい形式の両面で、集中的に推進され、補助金もますます増えています。しかし、同時に、本質的に経済性が低いため、世界的に商業的な崩壊が進行しています。米国の文脈をまとめた本稿は、原子力発電に運用上の必要性がないこと、ビジネスケースや気候変動対策としての有用性がないことを強調して、この2つの傾向を記録しています。 続きはこちら